みなさんこんにちは、大田区大森のもも矯正歯科、院長の桃沢です。
長らくブログの更新が滞っておりました。
タイトルにもしましたが、「矯正歯科治療のためのコルチコトミー」という歯学専門書が発刊されました。
これは 2015年に発刊された原題"Orthodontically Driven Corticotomy"という英文の教科書を日本語訳したものです。
矯正治療の治療期間を短くする"Accelerated Orthodontics"の治療法の中で、外科的な手法を用いる治療方法の専門書です。
この分野については、日本の15年前の寿谷先生の著書以来の本となります。
この分野で世界的にエキスパートである深澤先生を代表とするスピード矯正研究会の10周年記念企画として翻訳がなされました。
研究会のメンバー10名が10章あるうちの各章を担当し、僭越ながら私も第4章を翻訳担当させて頂きました。
日々の仕事や休日の合間に翻訳を進めるのですが、初めてのことでもあり、私にとってはとても大変な作業でした。
締め切りに悩まされて夢に見たのは大学院時代の研究論文以来でした(笑)
しかしながら、勉強になるから、と深澤先生にこの仕事の依頼を頂き、翻訳に参加出来たことは、私にとって本当に幸運で光栄なことだったと感じています。
翻訳を通じてこの分野における知識を深めれたのはもちろんですが、出版記念講演でのスピーチや出版記念パーティーなど貴重な経験もさせて頂きました。
また、深澤先生のように真摯に勉強し治療に向き合い、日々を重ねることで、このようにその成果が集約し、結実していくものであることを間近で見られたことも、私にとっては大変貴重な財産になるであろうと思います。
日本ではコルチコトミーを含めた外科的に歯の移動速度を加速化させる治療が普及しておらず、患者さんはもちろん、矯正医においても正しい知識が広まっていないのが現状です。
その中でこの本は、この分野の治療の歴史や様々な治療方法の細部に至るまで解説し、さらにはすべて科学的な研究論文の裏付けを基にこれらの治療の効果を示す良書です。
治療期間が長くかかることで二の足を踏んでおられる方や仕事・転勤・結婚など様々な理由で治療期間に余裕がない方にとっては、こうした治療が広まることで大変に喜ばれるであろうと思います。
私は矯正専門医である限り、矯正にかかわる全ての治療に対して精通しているのが理想であると考えます。
今後も研究会を通じて、さらに勉強を重ね、より安全で良質な医療を提供できるよう努力致します。
~深澤先生と~